タイトルを見て、思わず二度見しませんでしたか。『とにかくアツく掃除しろ!』——韓国ドラマにはときどき、こういう振り切ったタイトルの作品があります。私も最初は「掃除?」と首をかしげたのですが、観てみたら大当たり。笑って、ときめいて、じんわり泣ける。今日はこの作品の魅力と、ヒロインを演じたキム・ユジョンさんについてお話しさせてください。
『とにかくアツく掃除しろ!』ってどんなドラマ?
2018年にJTBCで放送された全32話(日本では全16話構成でも配信)のラブコメディです。原作はウェブトゥーン(韓国のウェブ漫画)。日本での正式タイトルは『とにかくアツく掃除しろ!〜恋した彼は潔癖王子!?〜』という、これまた説明的で愛らしい副題がついています。
ヒロインのキル・オソル(キム・ユジョン)は、高校生のときに母を亡くし、大好きだった陸上をあきらめて、掛け持ちのアルバイトで学費と生活費を稼いできた女の子。ようやく決まった就職先が、なんと清掃会社「クリーニング・フェアリー」でした。そこで出会った社長のチャン・ソンギョル(ユン・ギュンサン)は、極度の潔癖症。人にも物にも触れない、笑わない、心を開かない。当然、明るくて豪快なオソルとは水と油です。
ところが、この正反対のふたりが一緒に働くうちに、少しずつ距離が縮まっていく。オソルのまっすぐさに触れて、ソンギョルの凍りついた心がゆっくり溶けていくんです。「掃除」というモチーフが、部屋だけでなく心の埃まで払っていく——そんな物語です。
おもしろい、ドキドキ、そしてキュン
この作品、とにかくテンポがいいんです。潔癖症のソンギョルが繰り出す掃除へのこだわりは、コントのようにおかしい。除菌スプレーを手放さない、握手ができない、他人が座った椅子に座れない。深刻になりそうな設定なのに、演出が軽やかだから声を出して笑ってしまいます。
そして、笑っていたはずが急に胸がぎゅっとなる。人に触れられなかった彼が、オソルにだけは手を伸ばせるようになる瞬間。あの「はじめて触れる」場面のドキドキといったら、ありません。相手役のユン・ギュンサンさんは長身でクールな見た目なのに、コミカルな表情がとても上手で、そのギャップにやられます。

それから、恋敵として登場するソン・ジェリムさん演じるキャラクターの存在も効いています。三角関係のもどかしさが、物語をぐっと引き締めてくれるんです。
ここまでで「観たくなってきた」という方、朗報です。この作品、ABEMAで全話無料配信中なんです(2026年8月現在)。まずは1話だけでも、あのテンポの良さを味わってみてください。
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50代の私が、このドラマに救われた理由
笑えるだけの作品ではありません。オソルは、母を亡くしてから自分の夢をあきらめ、家族のために働き続けてきました。弱音を吐かず、明るくふるまう。その姿を見ていると、若い頃の自分や、あるいは今も誰かのために頑張っている自分が重なって、ふいに涙が出そうになります。
そして、ソンギョルの潔癖症にも理由があります。彼は幼い頃のある出来事から、心に鍵をかけてしまった人でした。「掃除」で表面を完璧にすることでしか、自分を保てなかった。そんな彼が、人の体温を思い出していく過程は、恋の物語であると同時に「傷ついた人が回復していく物語」でもあります。50代になると、こういう物語の重さが分かるようになるんですよね。
観終わったあと、私は台所を少しだけ磨きました。単純ですが、「よし、私も頑張ろう」という気持ちが自然に湧いてくる。そういう元気をくれる作品です。
ヒロイン、キム・ユジョンという女優
オソルを演じたキム・ユジョンさんは1999年生まれ。実はこの方、4歳でデビューした「韓国で最も成功した子役」と言われる女優さんです。1歳のときの写真をお母さまがネットに載せたところ、芸能関係者の目に留まってスカウトされた——という、まるでドラマのようなエピソードの持ち主。
韓ドラを長く観ている方なら、きっとどこかで彼女に会っています。『トンイ』『太陽を抱く月』『秘密の扉』——名作の子ども時代を演じてきたのが、彼女なんです。「あの可愛い子役の子が、こんなに大人になって!」と、まるで親戚のおばさんのような気持ちになってしまいます。
子役から大人の女優へと殻を破ったのが、2016年の『雲が描いた月明り』。パク・ボゴムさんと共演したこの作品は最高視聴率25.3%を記録し、社会現象になりました。その翌年に主演したのが、この『とにかくアツく掃除しろ!』。現代劇のラブコメで、彼女の飾らない魅力が全開になっています。

その後も『コンビニのセッピョル』『ホンチョンギ』『マイ・デーモン』と主演作が続いています。彼女を好きになったら、この作品群をたどるのも楽しい時間になりますよ。子役時代の作品を観返して「ここにもいた!」と発見するのも、韓ドラファンならではの贅沢な遊びです。
こんな方におすすめです
重いテーマの作品に少し疲れてしまった方、笑いながらときめきたい方、そして「頑張っている自分をちょっと励ましたい」方に、とくにおすすめしたい一本です。財閥や記憶喪失といった韓ドラの王道設定ではなく、働く日常のなかで恋が育っていくので、地に足のついた気持ちで楽しめます。
タイトルで敬遠していた方こそ、ぜひ。あの妙なタイトルが、観終わる頃には愛おしくなっているはずです。
まとめ|心の埃も、いっしょに払ってくれる
笑えて、ドキドキして、最後にはあたたかい気持ちが残る。『とにかくアツく掃除しろ!』は、疲れた日の夜にぴったりの一本です。ABEMAなら全話無料で観られるので、気軽に試せるのも嬉しいところ。今夜、あなたの心の埃も、少し払ってもらいませんか。


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